信号ファンの皆様は既にご存じだと思いますが、今一度その信号機の様子や気象環境での効果を考えてみたいと思います。
なお、撮影は宮城県大崎市の国道4号沿いの交差点です。
フラット型信号機とは、コイト電工(旧 小糸工業)製造の薄っぺらい車両用信号機の事をここでは指摘します。
2007年に東京都内の東京ビッグサイト近くの交差点で試験設置され、2009年辺りから警察庁より設置信号機として認められ、全国的に広まっていった灯器であります。
画像を見ての通り、まずフード(庇)が無いのが一番の特徴です。
矢印灯器も、基本的には同型が使用されます。
結構単純な形状をしていますが、恐らくコストダウン対策なのだと思います。
また、設置業者が工事される際の施工性もUPされているようです。
薄い筐体なので、当初はステンレス材質なのかと思いましたが、詳しい方よりアルミダイカスト製と聞きました。
鋼板よりも、アルミの方が丈夫なのでその材質が選ばれたのでしょう。
側面から見ると、その薄さがはっきりと分かります。厚さは僅か「6mm」!
そして、かなり傾斜がかかっているように見えます。
これには日本特有の気象条件が関わっていて、通常の信号灯器では克服できないメリットが有ります。
上の画像に、効果を書き込んでみました。
「積雪」「着雪」「風」を、通常の灯器よりも影響を軽減できる効果があるようです。
一概には目的がはっきり区別出来ませんが、恐らく
「風」→台風、強風対策・・・沖縄県、鹿児島県、三重県などの非豪雪地域に設置
「積雪・着雪」→同対策・・・石川県、新潟県、秋田県などの豪雪地域に設置
とそれぞれの地域で設置が確認されています。
勿論上記以外の地域でも多数設置されています。
沖縄県や鹿児島県などでは台風による災害がほかの地域に比べて多く、たまに台風で信号機が破損しているのをテレビで見かけます。
フラット型信号機は、傾斜を付け、フードを無くすことによって、風を停留させること無く下方に逃がすことにより、破損やアーム負荷による柱自体の倒壊を防ぐことが出来ると思います。
一方で、石川県や新潟県、秋田県などは冬場は雪が多い地域です。
こちらも同じように、傾斜を付けフードを無くすことによって、積雪面積を減らして深く積もらないうちに雪を下方に落とすような設計になっています。
(撮影したカメラが違うのでアスペクト比が異なります、ご了承ください。。。)
この場合も、フラット型信号機にすると「風」と「雪」の両方も傾斜を付けることである程度下方に落とすことが出来ます。
更にレンズの表面が凸凹に加工されているようで、それによりある程度の風雪でも見易いようになっているようです(ただ縦型にすると上部に付着してしまう場合も・・しかし通常の信号機よりはマシな方です)。
ちょっと長くなってしまいましたが、フラット型には通常の信号機にはないメリットがあります。
「大分形が変わった信号機だなぁ」と思っている方も、以上のように目的があってこの形状になっている事をご理解していただければ、信号機を見ることも楽しくなるのではないでしょうか?
また、信号機の設計技術(特に着雪対策)はまだ発展途上だと思いますので更なるスペックの登場に期待したいですね。
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